【映画感想】
『花の詩女 ゴティックメード (GOTHICMADE)』
【あらすじ】
茜の大地と緑の山々に彩られる小さな惑星、カーマイン・プラネット。のどかなように見えて、列強国の力関係に挟まれながら暮らす人々の心の支えは、預言者であり人々を導く「詩女(うため)」の存在であった。詩女を継ぐことになった少女・ベリンは、その任地、聖都「ハ・リ」へと旅立つ。ベリンや付き従う女官たちの平和な旅の途中、突然、嵐が吹き荒れた。戦艦シワルベの艦隊を引き連れたドナウ帝国のトリハロン皇子。ベリンの命が狙われているという噂のもとに、一行を警護することになったのだ。平和を祈る少女・ベリンと、生まれながらに戦う運命を背負う少年・トリハロン。2人の旅の前途には、暗く大きな雷雲が待ち受けるのであった―!
『ファイブスター物語』の作者・『永野護』先生が、原作・脚本・絵コンテ・レイアウト・原画・監督を
担当し、7年以上の年月を費やして完成させた映画作品です。 ただ、その7年間を全てアニメ
製作に費やしてしまったため、メインの仕事であると思われる『ファイブスター物語』を7年間休載
するという暴挙に出てしまいました(ファンから大ブーイング and 作品離れ)。
そういう事情で出来上がった作品であるため、ファンの立場から言えば、「やっと製作が終わった」・
「早く『ファイブスター物語』の連載を再開してくれ」というのが本音でありまして、過度な期待は
せずに、この作品を観に行きました。
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【以下、感想】
預言者であり人々を導く“詩女”に選ばれた少女・『ベリン』は修行を終え、聖都ハ・リに
向かうこととなった。 しかし、“詩女”の『ベリン』を狙うテロが予告されたため、ドナウ帝国の
『トリハロン皇子』が聖都ハ・リまで『ベリン』一行の警護を申し出た(ほぼ強制)。 『ベリン』は
その警護の申し出を受け入れ、聖都ハ・リまで『トリハロン皇子』と共に旅立つこととなった・・・。
という感じで始まる作品でして、特別な能力を持ったことで“詩女”に選ばれた少女と、
“第三皇子”でありながら皇帝よりも高い人望を集め一部の人々から疎まれている少年が
出会うことによって、物語が進んでいく作品です。 永野護監督の作品・『ファイブスター物語』
の雰囲気をそのまま映像化に成功しているため、ファンならば「おおおーー、すげぇーーー」と
あることは間違いなく、ファンならば一度は見ておいても損は無い作品だと思います。
<映画作品として感想>
①上演時間は70分。 長すぎず、短すぎず。
②新作でありながら、世界観設定の説明などは極力省かれているなど、作者の過去作品を
読んでいない方への配慮はゼロに近い。
③話の内容自体も、漫画の単行本にして半分にも満たないほどの薄い感じなので、
「えっ、これで終わり?」と観終わった後に感じた。
④戦闘シーンは非常に素晴らしかった。 ただ、戦闘シーンが70分の間にたった一回しか
なかったのは残念ポイント(90分以上の作品であれば2度は描かれたと思われますが・・・)。
⑤永野護の世界観をそのままアニメ化させているのは素晴らしい。
⑥あまり期待していなかったが、想像以上に良く出来ていて驚いた。
<ファンとしての感想>
①良い意味で、『ファイブスター物語』のネタを散りばめすぎー。 ニヤニヤが止まらない!!
②永野護先生の絵がそのままアニメになっているーーー!! ちょーーーーーー感動!!
③カイゼリン(ロボット名)、格好良いーーーー、強いーーーー、速いーーーーーー!!
④ハイランダー、現場にいるのに活躍しねーーーーーーーーーーーーー!!
⑤ぎゃーーー、『食事係』が登場ーーーー!! しかも○○の人形マークーーー!!
⑥エンディングでネタバレ!! やっぱり全て繋がっていたのか!!!!!!
⑦エンディング後に、ファティマ登場!!!! ぎゃーーーーー、可愛いーーーー!!
あれっ? なんで○○○がいるの? あれっ? なんで髪の毛が黒いの? 誰???
っていう感じでしょうか(笑)。
映画としては辛口ぎみですが、ファンとしては楽しめました。
まあ、そんな作品です(笑)。
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【総評】
ファン限定・・・・っていうか、最初からファンに向けて作られた作品です。
一つの映画作品としては残念ながらお薦め出来る内容の作品では無いですが、
『ファイブスター物語』を単行本だけでなく、設定資料集まで買っているファンならば、
楽しめる作品に仕上がっていると思います。 っていうか、ファン以外見る価値は無いです(笑)。
個人的には、非常に楽しめましたよ!!
点数的には
映画作品としては50点
ファン的視点としては80点
です。
ちなみに、4月から『ファイブスター物語』が連載再開であるようです。 やったね!
ブルーレイが出るならば、当然、購入します。 早めに発売してほしいですね。
では、ここまで。